立花エレテック(大阪市西区西本町1―13―25、GEL06―6539―8800、渡邊武雄社長)は、技術商社としてものづくりサービスの提供を拡大するため、電子機器の受託生産(EMS)と、金属加工の受託生産(MMS)を統合したマニュファクチャリング・サービス(MS)事業を今年4月に新たに開始した。新規の取り組み事業として注力し、2020年度に全体売り上げの10%を目指す。
同社は、半導体や制御機器、電子部品などを販売する専門技術商社。最近は機器販売にとどまらず、技術サービスを付加する技術商社として、ハードウェアとソフトウェアのエンジニアリングを行い、高度化・多様化するニーズに応えている。
EMSについては、約10年前から独自の技術・スタイルでアッセンブリ事業を開始し、事業の裾野を拡大してきた。これまでは、顧客からの要望に応じEMSを行ってきたが、今後はさらにアッセンブリ技術を深化させるとともに、セットされた製品を「立花モデル」として提供し、積極的に事業の拡大を図る。
同社は、半導体分野を中心にソフトウェア開発や、システム設計を担当する多くの技術スタッフを擁しており、介護用ベッドのモータドライブ関連や商業用計量器、リモコン関連のソフトウェア開発やシステム設計などで実績を挙げてきた。
EMSに関してもこうした技術系スタッフを投入し、ハードウェアとソフトウェア両面で、顧客へのソリューション展開を推進していく。
さらに同社は、中国(深圳・香港)、シンガポール、タイ(バンコク)など、強固な海外ルートとネットワークを持っており、部品調達能力などに優れている。加えて、製造現場の監査まで担当することで、EMSに関して無駄な時間や手間がかからないという利点を持っている。
一方、MMSは板金の機械加工を中心に、約7年前から事業をスタート。昇降式やタワー式立体駐車場のフレームや鉄道車両の部材などに採用されており、実績と評価を得てきた。特に昇降式の立体駐車場のフレームに関しては、約60%のシェアを持っている。
鉄道車両では、ドア周りのパネルや空調のダクトなどに採用されており、JRなど各電鉄会社で品質が評価されている。
こうした実績を基に、今後MMSのさらなるビジネスの拡大を図る。特に薄板加工ではEMSの技術も応用できるほか、金属の代わりに丈夫なエンジニアプラスチックを採用することで軽量化が図れ、水回り分野などへも応用が可能である。
Ms事業を担当する植田裕和執行役員は、「MS事業を本格的に立ち上げたことで、顧客の要望する製品づくりが低コストでできるようになった。さらにこうしたビジネスはこれまで手間や時間が多くかかっていたが、このような課題も解決できる。当社がこれまで築いてきた技術力で高品質の製品が提供でき、品質に関しては万全の保証体制を取っている。ものづくりにこだわる姿勢で、売上高比率10%を目指したい」と抱負を語っている。