安川電機は、医療やバイオ研究分野における試薬や検体の分析前処理作業向けに、産業用双腕ロボットを使用したシステムを開発、6月から販売を開始した。価格はオープンで、2015年度100台の販売を計画。
医療やバイオ研究分野では、分析前処理作業に幾種類もの小型容器に微量の試薬や検体を分注・攪拌、分離などを行ったのち、複数の分析機器を駆使して微細な分析を行うなど、複雑かつデリケートな作業が人手で行われていた。しかし、手作業は個人差によるばらつきやミス、劇薬や細菌などへの接触の危険、長時間のルーチンワークといった潜在的な課題があった。
今回開発したロボットシステムは、こうした危険な環境や長時間のルーチンワークから研究者を解放するために双腕ロボットを用いた。人が従来から使っていた分析機器や容器などをそのまま使用することができ、柔軟性・拡張性の高いシステムとなっている。また、人を超えた再現性でロボットが作業を行うことによって、非常に信頼性の高い実験データを生み出すことができる。
主な用途は、タンパク質の構造や機能を総合的に解析するプルテオミクスの分析前処理作業、遺伝子分析のための分析前処理作業、再生医療分野を含むスクリーニング作業など。