オータックス(横浜市港北区新羽町1215、GEL045―543―5621、富田周敬社長)の業績が急速に回復している。今年4月以降、端子台やスイッチなどの電子部品とアルミ加工関連の売り上げが好調に推移しているためで、2014年3月期は、売上高が前期比42%増の78億円、営業利益は前期の2億1400万円の赤字から6億円の増収増益に転じる。同社の前期は、電子部品関係の売り上げは堅調であったが、「アルミ加工生産の立ち上げが遅れたことや、これに伴う償却負担の増大、工場災害に伴う後処理費用などがあった」(富田社長)ことから、13年3月期の売り上げは前期比11・6%減の54億7900万円、営業赤字2億1400万円となった。 しかし、今年3月以降急ピッチで立ちあがって来ており、4月以降は電子部品関係が前年同期比10数%増、アルミ加工は4、5月の2カ月で昨年1年分の売り上げを計上するなど急伸長しており、「4~6月で昨年の赤字を取り戻すことができた」(同)。 電子部品では、DIPスイッチが月産1300万個体制を構築して、国内外で強い競争力を維持しており、端子台もエアコン用、FA用を中心に、中国の深〓と無錫、マレーシアの3拠点で生産して地産地消の展開をしている。端子台は日系企業の進出が著しいタイでの生産計画も進めている。 アルミ加工は、薄型テレビ向けで高い評価を築いているが、今後はタブレットPCやスマートフォン向け、他の薄型テレビメーカーにも同社の高い加工レベルをアピールしていく。「アルミ加工の深〓工場は、1社で一貫してできる中国でも珍しい工場である。今後も受注拡大が見込めることから、電子部品の生産を他の工場に移管しながら、生産スペースを広げている」(同)。 同社では16年3月までの「PLAN115計画」で、100億円の売り上げと10億円の営業利益をコンスタントに確保できる取り組みを進めている。「市場調査で新規の開拓案件がかなり高い確率で売り上げが見込めることから、来期もこの好調を維持できる」(同)として、15年3月期の売り上げ94億円、営業利益9億円を見込んでおり、PLAN115の達成に自信を示している。 なお、深〓にある同社の中国工場が12年12月に、中国政府から「国家級ハイテク企業」として認定された。中国工場の加工技術、製品レベルの高さが評価されたもの。この認定を受けている企業は中国全土でも500社程度と言われ、なかなか認定が受けられないと言う。認定企業になると、税制面の優遇を受けられることや、研究開発費の助成、通関検査のフリーパスなどの利点がある。有効期間3年間で、3年後に再審査が行われる。
オータックス、業績急回復今期42%増78億円見込む営業益は6億円へ 電子部品、アルミ加工関連が好調
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