愛知産業(東京都品川区東大井2―6―8、GEL03―6800―1122、井上裕之社長)は、産業用ロボットのハンド部として20トンのワークを保持できるマグネットグリッパーの販売を7月1日から開始した。初年度5億円の売り上げを計画している。マグネットグリッパーは、磁石のNS反転技術を利用して、強力な磁力と瞬時の装着/脱着ができるのが特徴で、磁力は従来の5倍と強力な保持力を有する。しかも、電源が切れてエアが不足しても強力なマグネットが動作するため、真空や電磁石方式などに比べ、ワークの落下が防げ、安全性が向上する。
また、マグネットグリッパー先端部のモジュールは、軽量・コンパクト設計で、穴や凹凸のある鋼板の保持、薄くて重なった鋼板1枚の持ち上げといったように、鋼板の厚さに合わせた磁力調整とモジュール選択が可能。
さらに、真空グリッパーに比べエアはアクチュエータを作動させるのみで使用できるため、省エネで作業時間の短縮につながり、これまでマグネットグリッパーが使えなかったスピード感のある重量物の持ち上げやピック&プレース作業、人による持ち上げ作業などにも利用できる。
マグネットグリッパーは用途に応じてM、ME、AR、AY、LAYの5シリーズが完備している。
マグネットグリッパーは、米・マグネスイッチ社が特許を持つ製品で、同社は今年2月に日本での総代理店契約を締結した。これまで溶接や金属加工向けのマグネット工具を販売してきたが、さらに産業用ロボット向けのマグネットグリッパーの販売も開始したもの。