経済産業省は18日、ロボット産業の市場動向調査結果を発表した。世界市場は5年間で約60%成長し、2011年の規模は84億9700万ドル(6628億円)となった。日本企業のシェアは50・2%と過半をかろうじて堅持した。電子部品実装機を含めると世界市場は約133億6900万ドル(1兆428億円)で、日本企業のシェアは57・3%である。国・地域別では中国市場が約4倍に拡大し、台数ベースで世界最大の日本市場に迫る勢い。また、国・地域別の製造業従業員1万人当たりの産業用ロボット(電子部品実装機を除く)利用台数は、11年に韓国が日本を抜きトップになり、韓国製造業の躍進の要因にロボットの積極的な導入があることを裏付けた。11年の産業用ロボット(電子部品実装機除く)の世界市場84億9700万ドルのうち、日本企業の出荷額は42億6700万ドル(3328億円)である。電子部品実装機の世界市場規模は48億7200万ドル(約3800億円)で、日本企業のシェアは約7割に達する。
国・地域別市場規模は、日本が14億8700万ドル、僅差で北米が14億8500万ドルで続き、ドイツ11億4000万ドル、韓国4億9600万ドル、その他が3億8900万ドルである。
11年の国・地域別販売台数は、日本が2万8000台、韓国が2万6000台、ドイツを除く欧州2万4000台、中国2万3000台、米国2万1000台、ドイツ2万台、日中韓を除くアジア1万3000台、その他1万3000台となった。中国の急拡大が目立つ。
輸出入では、日本からの輸出額は直近5年間で約80%増加した。
中国市場では、ドイツ、韓国が輸出額を直近5年間で10倍以上に増やしたのに対し、日本は4倍以上にとどまり、中国市場での競争が激化している。
世界で稼働している産業用ロボットの国別比率は、日本の割合が直近10年間で約48%から約27%に低下。台数ベースでみると5万4000台、15・0%の減少である。韓国、中国、ドイツが増加している。また、直近9年間の製造業従業員1万人当たりの利用台数は、韓国が126台から347台、中国が1台から21台、ドイツが172台から261台に拡大している。韓国は11年にそれまで1位を維持してきた日本を抜いた。
11年の需要先別販売台数は、世界合計16万6028台のうち、自動車産業が5万9705台、電気・電子産業が3万7751台、以下、金属・機械産業1万4125台、樹脂・化学工業1万1825台、繊維・木材・紙業・印刷等1万937台、食品・飲料業4650台、その他2万7035台である。