日本電気制御機器工業会(NECA)模倣品対策研究会(西岡恭志主査)は、「産業機器における模倣品被害の実態と対応策セミナー」を、東京・浜松町の笠井設計KCDホールで4日開催、約20人が参加した。
NECAでは、2010年に会員企業を対象に行った中国模倣品対策に関するアンケート調査を基にして、模倣品対策研究会が中心となって「模倣品対策ガイドライン」を策定している。
今回のセミナーでは、その集大成として、この模倣品対策ガイドラインを通して、模倣被害の現状と傾向、今後の取り組み手法などの説明とディスカッションを行った。
セミナーでは、西岡主査が模倣品対策ガイドライン策定の背景を説明した後、中村隆委員が模倣品の出回っている制御機器の例として、非常停止用押しボタンスイッチ、照光押しボタンスイッチ、セレクタスイッチ、ヒューズブレーカー、光電センサ、圧力センサ、半導体リレー、LED照明装置などを挙げ、「真正品と区別のつかない精巧な外観のものから、一見して模倣品と判別できる粗悪品までレベルはさまざまであるが、性能は真正品より劣り、価格も真正品の半額以下が多い。デザイン、構造、商標のすべてを模倣するデッドコピー品が一番多いが、別々のメーカーのものを模倣したハイブリッド模倣などの例もある」と報告した。また、奥田誠委員が模倣品対策ガイドラインでの実際の摘発フローを紹介した。
続いて、経済産業省模倣品対策・通商室模倣品対策専門官の山浦光一郎弁護士が日本の模倣品対策の現状などについて講演。その後、笠間俊幸委員の進行でディスカッションを行った。