電源トランス大手の豊澄電源機器(東京都文京区小石川4―16―1、GEL03―3818―2511、黒川晃社長)は、ノイズ防止トランスの無償サンプル貸し出しを行っているが、実際にトランスを組み込んで効能を確認できることから評判を呼んでいる。そのため、NRシリーズに続き新製品のNTシリーズに対象を広げ展開している。
同社では、高いノイズ減衰力と性能を備えたノイズ防止トランスを開発した。
製品は、必要な周波数帯域はそのままにノイズ部分のみを取り除くため、従来の静電シールド付きトランスと比べ、コモン・ノーマル両モードではるかに高いノイズ減衰力を発揮する。また、絶縁トランスとしての性能も従来の絶縁トランスと同等以上の性能を持ち、コイル・鉄心間の耐電圧は3kV/1分間を確保している。
この高いノイズ減衰力と性能を実機で確認してもらうため、無償サンプル貸し出し制度をNRシリーズ(100VA~1kVA、リード接続タイプ)で開始したところ好評で引き合いが増えており、今年6月発売の新製品NTシリーズ(2kVA~5kVA、端子台タイプ)にも適用した。
近年、ノイズ対策が喫緊の技術課題になっている。機器組み込みや制御盤、工作機械、医療機器、半導体製造装置などは、電源ラインから浸入するノイズだけでなくノイズの発生源となる負荷機器から電源ラインへのノイズ浸入を防止する必要性が高まっている。それだけに、同社の実機無償貸し出しは今後も引き合いが増えるものと見られる。