長引く不況の中でも「もっと楽しく、地域社会に役立つ」を実践するユニークなFA制御商社であるサンナイオートメーション(川崎市中原区新城中町16―14、〓044―751―6361、内藤孝輔社長)は、地元中小企業のエコ化支援へ面倒な補助金の申請手続きから施工まで手掛け喜ばれているが、「かわさき起業家オーディション」に防災備蓄用クイックナップで応募し話題になっている。
同社は、電気・電子制御機器販売および安全・防犯・ビジュアルサイン機器のシステム設計から製作、設置まで行うため、地域社会や地元中小企業との取引が多い。人との出会いでビジネスの幅を広げている。
節電・省エネ対策が社会テーマとなる中で、同社が真っ先に取り組んだのが、川崎市補助金の利用である。照明のLED化、省エネ型空調設備の導入、デマンドコントローラ設置で基本電気料金の引き下げと電気使用量の削減を実現した。このとき「補助金申請や工事完了申請届に関する書類作成が面倒であった。この書類作成を代行しないと、中小企業ではエコ化が進展しない」(内藤社長)と実感し、これをヒントにエコ化支援事業を開始した。
川崎市では、月間電力使用量が約460kWh以内の市内事業者が行うエコ化に対し、補助対象経費の1/4(最大200万円)の補助金支援を行っているが、申請に二の足を踏んでいる企業が少なからずある。
同社は、地元企業に早速、書類作成代行を引き受けると伝えると、反響が大きく、「補助金を受給し喜んでいただいたお客様の口コミで」依頼が増えている。
簡易省エネ診断、省エネ設備の選定、補助金書類作成と申請、設備導入工事、工事完了申請届、補助金受給まで一切任せられると評判になっている。
今年は「かわさき起業家オーディション
ビジネス・アイデアシーズ市場」に応募した。1~2次審査を通り、7月26日開催の最終選考会で発表される。ベンチャーキャピタル、エンゼル、金融機関、事業パートナー、支援機関などがプレゼンテーションを評価する。同社の応募製品はクイックナップ。ジッパー付き防災用寝袋、長期滞在用防炎マット、帰宅難民向け簡易保温寝袋などを試作し発表する。
「地元企業と交流していると、様々な情報を得られる。これを全員で“形"にする過程の中で、仕事に楽しさが加わり、士気も上がる」(内藤社長)。いろいろな挑戦は会社を活気付ける。