富士電機は、タイの変圧器メーカー、タスコトラフォ社に10月1日付で67・7%出資し、経営権を取得する。
タイの同社子会社である富士電機パワーサプライ社(FPT)と富士電機タイ社(FET)が、タスコトラフォ社グループ(TUSCO)に出資するもので、資本金は8億6600万バーツ(約29億4000万円)。資本参加後は社名を「富士タスコ社」に変更する。
TUSCOは、タイの政府系配電公社や民間企業に対して数多くの納入実績があり、東南アジアやアフリカにも広く販売を展開するタイの有力変圧器メーカー。
今回の出資で同社は、TUSCOの最新鋭製造設備を活用しながら富士の技術供与で、自社ブランドとして社会・産業分野向け変圧器のラインアップ拡充と価格競争力強化を図る。また、TUSCOの販売・サービスネットワークを活用して、変電システムの拡販および更新需要の取り込みを進める。
TUSCOは、1996年設立で、変圧器や配電盤、制御盤などの製造・販売・保守サービスなどを行っている。12年度売上高は11億7400万バーツ(約40億円)。従業員数は251人。
同社は、アジア地域を注力市場と位置づけ、現地設計、および地産・地消による「現地完結型」の体制構築に取り組み、社会・産業インフラ需要を取り込むことで、売り上げの拡大を目指している。