日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)は、JSIA独自の制度である優良工場の指定講習会を7月から9月にかけて全国6会場で開催している。東京会場では70人が受講、トップランナー変圧器、キュービクルの温度上昇対策など製造技術に関する最新情報を学んだ=写真。
JSIA優良工場は、ユーザーが配電盤メーカーを選択するさいの判断材料の一つの目安として、優れた品質保証体制と優秀な製造技術を有する工場を認定する同工業会独自の制度。1999年にスタートし、現在、72社82工場が認定されている。
優良工場は、審査基準(1)高水準の品質保証体制の確立と維持(2)設計・製造・検査の国家資格など保持技術者の在籍義務。法令などの遵守能力(3)指定講習会の受講義務(4)PL保険の加入義務などをクリアする必要があり、認定を受けた工場はユーザーから高い評価を得ている。
JSIAでは、審査基準の一環である今年度の指定講習会を7月17日の東京を皮切りに、8月2日北九州で開催。このあと、8月23日札幌、28日高松、9月5日名古屋、11日大阪で開催する。大阪会場は初めての開催。
東京会場は、(1)低圧遮断器(気中遮断器、配線用遮断器・漏電遮断器)のJIS規格について(講師〓日本電機工業会)(2)トップランナー変圧器第2次基準2014年スタート(同)(3)優良工場認定制度における工場審査時の方向性(JSIA)(4)キュービクル式高圧受電設備の温度上昇対策と技術動向(同)の4テーマで開かれたが、関心が高く真剣な質疑応答が行われた。
トップランナー変圧器2014については、変圧器の構造と消費エネルギー、従来変圧器との比較、導入における費用対効果などを学んだ。
また、キュービクル式高圧受電設備の温度上昇対策は、信頼性を確保するための重要な問題であり、受講者は盤内の温度上昇や換気計算などについて改めて知識を吸収していた。