制御機器流通関係者の情報によると、営業地域を越えた商社間の提携が模索されており、地域ブロックを地盤とする商社が仕入れ量の確保、在庫の効率化で連携する。同一営業エリアの商社間では提携が製品融通などに限られるが、商圏の異なる広域提携は新商材を含めた独自の共同販促など新たな展開が可能になり、注目されそう。量産型製造業はリーマンショック以降、地産地消方針による海外生産移転を加速させており、駆動・制御関連の国内市場は低迷状態で推移している。 リーマンショック前の2007年の生産額と12年を比較してみると、回転電気機械は07年1兆770億1200万円が12年1兆351億8000万円(96・1%)へ、同様に静止電気機械器具が6016億5200万円から6573億8900万円(109・3%)、開閉制御装置・開閉機器が1兆4817億3400万円から1兆2998億5900万円(87・7%)、電子管・半導体素子及び集積回路が7兆1364億8700万円から4兆4400億2300万円(62・2%)、電子部品が3兆1583億700万円から2兆1617億9800万円(68・4%)となっており、静止電気機械器具以外は落ち込んだまま推移している。 こうした市場の動向に伴い、商社の売り上げもリーマンショック前に比べ、軒並み2~3割減少している。そのため、人員の削減、拠点の閉鎖や廃業、営業権の譲渡などが行われ、淘汰が進んでいる。 同業者間で取引 また、経営体質の強化へ利益率改善を図るひとつの手段として、同業者間の取引が増えている。「同業者間の交流に取り組んでいる商社は、景気が悪化すると、仲間内の取引が増える」現象が起こっている。 在庫の削減にも取り組んできた結果、同じ営業エリア内の商社が製品を融通し合うケースが増えている。 この同一商圏では新規商材の共同販売、販売量の拡大による仕入れ有利性などを追求する上で、限界があるとされる。 そのため、商圏の異なる地域ブロックの商社同士が地位の確保と新規市場の開拓へ共同歩調を取る動きが出てきた。 FA市場は、量産型から多品種少量型、少品種少量型へ対象が広がりつつある。再生可能エネルギー、介護機器、医療機器などである。 こうした市場向けに新規商材の発掘、駆動・制御機器の共同販売キャンペーンなどを展開するためには、関東、中部、関西、中四国など地域ブロックで事業展開する商社が異なる営業エリアの商社と組んではじめて可能になる。 すでに、首都圏、中部、関西の商社間で提携構想が出始めており、その実現は流通業界の再編を加速する一方、仕入れメーカーにも影響を及ぼすものと見られる。
Fa機器流通業界地域越え提携模索仕入れ確保や在庫効率化 共同販促など新たな展開
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