分岐点

毎年、ロボット競技大会のテレビ放映を楽しみにしている。昔、ロボット異種格闘技戦として注目されていた「かわさきロボット競技大会」を取材したのが、興味を持った始まりである。無線操縦器を操りながら、リンク内で相手のロボットに体当たりして飛ばしたり、逆にひっくり返されたりする。小よく大を制す技が決まった時は、興奮する。

ロボット競技会はいまや国境を越え、国際大会が開かれるようになった。今月18日にベトナムで開催された「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト(主催・アジア太平洋放送連合)」は、18カ国・地域の大学19チームが自動ロボットと人が操縦するロボットで競い合い、日本代表の金沢工業大学チームが優勝した。日本はロボット大国と安心していたが、実は日本の優勝は8年振りである。

世界の製造現場で稼働する産業用ロボットは、日本製が過半数を依然占めているものの、市場としての日本は減少傾向にある。国・地域別販売台数を、2007年と11年で比較すると、日本は大幅に減少し、中国・韓国は増加している。日本はリーマンショック以降、設備投資の抑制、海外生産の進展が要因になっている。

日本のロボットメーカーは、拡大する海外市場に活路を求めざるを得ない。とくに、中国市場は開拓の余地が大きい。この中国市場では、ドイツ、韓国が輸出額を直近5年間で10倍以上増やし、日本は4倍以上にとどまっている。国際ロボット競技大会での日本チームの活躍は、日本製の普及に力強い支援となる。これからも関心を寄せていきたい。

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