スワロー電機(大阪市東住吉区桑津2―6―32、TEL06―6719―8100、河原実社長)は、電材系商社を中心に中型・大型のトランスの売り上げが大幅に伸長している。新製品のプッシュイン式端子台のトランスも好調に推移、関東地区の営業体制の拡充とともに、今期大幅な売り上げアップを目指す。
同社は、最新鋭の大型製造設備を備えた堺工場(大阪府堺市)で、中型から500kVAクラス、1000kVAクラスといった大型トランスの製造を本格化している。特に大型トランスは、国内では太陽光発電設備向けや電力設備向けを中心に売り上げが拡大。
同社は販売ルートとして、FA制御機器商社のほかに、電材系商社のルートを持っており、こうした太陽光発電設備向けの大型トランスは、電材系商社で売り上げが拡大しており、昨年の2倍近い商社もあるという。
さらに、同社の大型トランスは、電力などインフラ関連を中心に東南アジアなど海外向けにも販売が伸びている。
こうした急速な需要増を受け、大型トランスを製造する堺工場はフル稼働体制を続けている。堺工場は、巻き線工程から真空含浸工程、乾燥工程など、各工程が同じフロア内で流れ作業が行え、生産効率が非常に高いのが特徴である。今年からは中型・大型トランスの製造に特化させており、今後は人員などを随時増やし、需要の増加に対応する方針。
また、300VAまでの小型トランスの製造に関しては、今年4月から子会社を中心とした製造に切り替えている。
一方、今年5月から発売を開始したプッシュイン式端子台(特許申請中)を備えた産業用トランス「PIシリーズ」も、好調な出足を見せている。同シリーズの端子台は、同社が金型から製作し成形部分を独自に開発した。プッシュイン方式を採用しており、単線・棒端子は電線を差し込むだけで結線が可能である。
屋内配線用ビニル絶縁電線は、マイナスドライバーで端子部のバネを押して差し込むだけで、極めて簡単・スピーディに結線ができる。電線の取り外しは、マイナスのドライバーでバネを押せば簡単に取り外せる。
同社では、新製品の開発と同時に、関東地区の営業を強化している。1990年に東京営業所を開設したが、昨年10月に同営業所が入居しているビルを自社ビル化し、営業人員を増員するなどの強化を図った。
03年には、仙台に仙台出張所を開設しており、関東地区から東日本地区、北日本地区をカバーできる営業体制を整えており、早期のうちに東京営業所の売上高比率40%達成を目指している。
販売店・代理店も100社に増えており、早期の売上高20億円達成を図る。