東芝は今年10月1日付で、販売・サービス子会社の東芝産業機器システムを存続会社にして、開発・製造子会社の東芝産業機器製造と合併する。
両社は、産業用低圧モータや変圧器、産業用インバータや受配電機器などの産業機器事業を展開しているが、国内では「トップランナー基準」の対象が拡大され、2014年度からは配電用変圧器、15年度からは産業用モータへの適用が始まる。
これに伴い、国内市場では省エネ製品への切り替えによる大幅な需要増加が見込まれている。
また、海外では中国、東南アジアなどの新興国市場が持続的に拡大するとともに、オイル・ガス、鉱山分野をはじめとしたエネルギー資源関連で堅調な需要が継続して見込まれている。
今回の合併は、こうした市場環境の変化に対応するために、開発・製造・販売・サービスの一貫体制を構築して、業務効率の向上と顧客対応力を強化するのが狙い。さらに、海外現地法人との連携を強化することで、グローバル事業展開を加速させる。
東芝産業機器システムは00年4月、東芝の産業機器およびシステム関連の営業部門と、系列の販売会社9社を統合して設立された。
一方、東芝産業機器製造も同時期に、東芝の産業機器事業部と東芝三重工場の一般産業用機器の製造部門が分社して設立された。
新会社の本社は産業機器システムのある東京都中央区日本橋本町4―9―11に置き、資本金は28億7000万円。従業員数1580人。社長は未定。
新会社として20年度に売上高2000億円を目指す。