横河電機は、分析計の新シリーズとして「SENCOM(センコム)シリーズ」の販売を開始することになり、第1弾として検出器に関する各種デジタルデータを内部に保存できるpH/ORP
SENCOM検出器「FU20F」と、校正用PCソフトウェアSENCOM「SPS24」を16日から発売した。
価格は、2線式液分析計(SENCOM対応)
FLXA21が17万2000円から、検出器が8万2000円から、ソフトウェア20万円から。
2013年度1500本、14年度2500本の販売を計画。
pH/ORP
SENCOM検出器はメモリーチップを内蔵しており、検出器に関する校正用データなど各種デジタルデータを検出器に保存できる。これにより、校正用ソフトウェアをインストールしたPC、または同社の2線式液分析計FLXA21を用いて実験室など作業しやすい場所で校正することが可能になる。
しかも、検出器を校正する際、変換器が設置されている場所に標準校正液を持ち込む必要がなくなり、複数の検出器を1カ所で効率よく校正することができる。
また、校正用ソフトウェアは最大4本の検出器を同時に校正可能で、校正時間の大幅短縮につながるとともに、最大100本分の検出器のデータを保存できるため、PC上でプラントに複数ある検出器に関するデータを一括管理することが可能になり、現場にある変換器までデータの確認に行かなくても検出器の状態やメンテナンス時期を予測することができ、プラントの保守効率の向上に貢献する。
液分析計は、石油、石油化学、鉄鋼、電力、上下水道などの各種プラントで、原料や製品の品質管理、反応状態の監視、排水処理工程の水質管理などに利用されているが、分析対象の液体特性によって検出器の劣化や、汚れの付着防止のために定期的な校正が必要になる。
これまでは、現場に標準校正液を持ち込み、組み合わせている変換器を用いて校正作業を行う必要があり、作業に危険を伴う場合もあることから、安全な場所で効率よく作業したい、校正のために測定を中断する時間を短縮したい、といったニーズがあった。
今回は2線式の液分析計に対応した検出器を発売したが、同社では今後、4線式の液分析計の対応品や、測定対象値の種類を増やした「SENCOM」をラインアップしていく予定。