不二電機工業(小西正社長)は、太陽光発電(PV)向け端子台などを中心に新規の顧客開拓が進んでいる。海外では、東南アジアや中近東地区での売り上げが好調で、2014年1月期の第2四半期決算は海外向け売り上げが前年同期比38・6%増と大きく伸長している。同社では、長期的なテーマとして「新市場創造への挑戦」を掲げ、製品力の強化と、海外を含めた新市場の開拓に注力、今期は11・4%増の売上高37億円を目指す。
現在、同社は高機能スイッチや表示器の新製品開発と販売強化に注力しているが、特に高機能スイッチは、国内ではJRや大手私鉄車両の運転席回りを中心に採用が進み、地下鉄でも採用が始まるなど、順調に販路を拡大している。鉄道車両向け高機能スイッチは、海外からも高い評価を得ている。米国では北東回廊路線向けや、中国などで商談が進んでいる。
PV(太陽光発電)関連では、活線を遮断する断路端子台や、集電箱用の高圧端子台などを中心に新規顧客での採用が相次いでおり、また、電子応用機器では、高速鉄道変電設備向けにI/Oターミナルが好調で、テレフォンリレーも堅調に推移している。
一方、海外については、数年前から中近東や韓国向けに、信頼性の高いスイッチや表示器などの販売が好調で、特に中近東向けは昨年から2桁増となっている。中でも、変電設備向けへの落下式故障表示器の採用が急増している。
同社では新市場の創造に向けて、今期は画期的な新製品を相次いで投入している。軽量化とコスト低減を実現したアルミ端子台、接触不良が起こらない無接点型半導体直流開閉器、PV分野ではDC1500V/AC1000Vと高い電圧に対応する接続箱用端子台や、太陽光パネルのストリングごとに、故障検知や計測が可能な監視ユニットなど、意欲的に新製品を発売している。
同社は、今年創業60周年を迎えたが、創業からの30年は下請け事業が中心だったが、83年からの30年間は、「不二ブランド製品」の確立・浸透を図ってきた。新市場創造への挑戦は、次の30年へ向けての活動目標であり、同社では、新市場創造を着実に成し遂げ、一段上のステップである売上高100億円達成を目指す。