東芝は、インド・ヴィジャイエレクトリカル社(Vijai社)の電力・配電用変圧器、および開閉装置であるT&D事業を今年11月までに買収する。買収金額は約200億円。これに伴い、東芝はインドに新会社を設立して、新会社がVijai社の保有するT&D事業を買収するとともに、東芝の保有する最新鋭の設計・製造技術と製品ラインアップを加えることで、インドだけでなく、グローバルでのT&D製品の供給体制を確立する計画。
同時に、インド国内向け電力用パワーエレクトロニクスシステム事業、鉄道用電力システム事業にも参入する計画。
Vijai社は1973年に配電用変圧器の製造・販売会社として設立。06年には、電力用変圧器事業や開閉装置事業などにも参入するなど、事業規模と範囲を拡大してきた。現在では、配電用変圧器ではインドでトップシェアを有していると言われ、欧州・アフリカなど、グローバルにも事業を展開している。
従業員数は約6000人、売上高は約250億円。
東芝は今回の買収により、インド市場に本格的に参入し、5年後にシェア20%を目指すとともに、これまで構築してきた日本・ブラジル・中国・ロシア・東南アジア(マレーシア・ベトナム)などのT&D製造拠点に加え、ランディス・ギア社のグローバル販売網を活用することで、15年度のT&Dとスマートグリッド事業での世界売上高7000億円を目指す方針だ。
インドは、03年以降、年率5%以上の経済成長が続いており、電力・交通などのインフラ不足を解消するための設備投資が長期的に継続するものと見られている。T&D市場も堅調な成長を続け、15年度には4000億円規模になると見込まれている。