タイマー・タイムスイッチ専門メーカーのスナオ電気(浜松市東区下石田町1495、TEL053―421―2281、和泉三雄社長)は、施設園芸の燃料費低減へヒートポンプと暖房機併用による実証実験を行ったが、ボイラーと比べ30~56%安いという結果を得た。今後、機器販売から施工までの一括受注を目指す。
工業用タイマーで知名度の高い同社は、1986年に自動灌水タイマーを発売し、施設園芸の自動化分野に進出。その後、自動灌水タイマーの機種を増やす一方、ボイラー、コントローラー、熱交換器、自動天窓、土壌改良関連などを発売している。施設園芸農家では2009年以降、A重油価格が上昇しており、11年からは1キロリットル当たり5万円を超えて推移している。そのため、農家に燃料費の負担が重く圧し掛かっている。
こうした状況下で、同社は、ヒートポンプが補助金制度の対象であることから、ヒートポンプ暖房機併用による燃料費削減に着目し、豊川市や浜松市内のバラ栽培温室やメロン温室で燃料費比較の実証実験を行ってきた。
その結果、ヒートポンプと温水暖房機による方式を採用すると、1980平方メートルの施設で56・3%、1485平方メートルの施設で28・4%削減できた。また、1650平方メートルの施設でヒートポンプと灯油暖房機の方式も実験し46・9%低減できた。
同社では、省エネによる燃料費の削減で好結果を得たことから、機器・装置の設置や配管施工、メンテナンスまでの一括受注に自信を深めている。地域の工事会社、商社とタイアップし営業展開していく考え。
また、自動灌水タイマーに関しても10月9日から幕張メッセで開催の「第3回国際農業資材EXPO」に出展するなど積極的な拡販に乗り出している。