世界有数のデータセンター・ソリューション・プロバイダーの米・デジタル・リアルティ・トラスト社(カリフォルニア州)は、大阪・茨木市に同社としては日本で初めてのデータセンターを建設、2014年12月に稼働を始める。このほど、約1万5000平方メートルのデータセンター建設用地の取得を終えた。取得金額は1050万ドル(約10億円)。
同社はデータセンターの投資・開発・所有・運用企業で、02年設立。世界10カ国・33都市に127の物件を所有し、レンタル可能延べ床面積は約220万平方メートル。12年の売上高は13億ドルとなっている。中立的なデータセンター運用企業として、用地を自社で取得し運営していくことを経営方針にしている。
これまでの売り上げの75~80%を米国で占めてきたが、ここに来て欧州や、12年から展開を始めたアジアでも実績を伸ばしてきている。
日本では11年に発生の東日本大震災以降、多くの企業がITインフラをサードパーティに移すなど、需要が増加している。今回立地する大阪は、キャリアニュートラルのデータセンターの供給が不足している地域で、比較的地震などの自然災害も少なく、しかも重要な産業も多いことから、今後需要が高まることが見込まれている。
建設する大阪データセンターは、4・0MWの電力を供給でき、電力使用効率(PUE)値1・3を目標に、金融サービス、およびマネージド/クラウドサービスプロバイダー向けの最新鋭データセンターとして提供していく。
同社のデータセンター「POD3・0アーキテクチャー」は、小型・省スペース化が可能で、エネルギー性能が高いことからPUE値が10~20%減少し、キャパシティも最大15%増加するなどの特徴を持っている。
同社では、これを機に東京地区でのデータセンター開設も計画していく方針。