日本の製造業の製造品出荷額が277兆2775億円と2年ぶりに増加した。輸送用機械器具や金属製品など13業種で増加した一方、11業種で減少した。従業員10人以上の事業所数も12万1477カ所と6年ぶりに増加に転じ、食料品製造、金属製品製造、プラスチック製品製造など24産業中13産業が増加した。
経済産業省が2012年(平成24年)12月31日現在でまとめた工業統計速報によると、日本の製造業の出荷額は0・3%増加した。
産業別では、輸送用機械器具が8・8%増の54兆7175億円と最も多く、構成比も19・7%と2割弱を占める。次いで化学工業が25兆7105億円で同9・3%、食料品製造が23兆4430億円で同8・5%、鉄鋼業が17兆6380億円で同6・4%、石油・石炭製品製造業が16兆8500億円で同6・1%の順となっており、上位5産業で全体の5割を占める。このうち、化学工業と鉄鋼業は出荷額が減少した。出荷額を増やした13業種で、増加率の高いのは輸送用機械器具を筆頭に、家具・装備品(6・2%)、金属製品製造(6・0%)、汎用機械器具(5・1%)などの順。
逆に情報通信機械器具(。
17・9%)や電子部品・デバイス・電子回路(。
16・5%)などが大幅に減少した。
事業所数は、食料品製造が1万7948カ所と全体の14・8%を占めて最も多く、次いで、金属製品製造の1万4033カ所で同11・6%、生産用機械器具製造の1万384カ所で8・5%の
順。
都道府県別では、沖縄(11・7%増)、宮城(8・6%増)、大分(8・0%)、佐賀(7・8%)など、33道県で事業所数が増加している。
事業所の最も多いのは愛知の9717カ所で、次いで大阪9325カ所、埼玉6786カ所、静岡6140カ所、東京5938カ所の順となっている。
さらに製品出荷額が多いのは、愛知の38兆1063億円が他に比べ圧倒的で、以下神奈川17兆1692億円、静岡15兆1651億円、大阪14兆6644億円、兵庫14兆430億円の順となっており、自動車などの輸送用機械器具の事業所の立地が影響している。