テキサス・インスツルメンツ(TI)は、既存センサ技術に比べ、分解能、信頼性、設計自由度の向上とシステム価格の低減を実現できるコイルとバネを誘導型センサとして使用した新しいジャンルのインダクタンス/デジタル・コンバータ(LDC)=写真=を開発した。
誘導型近接センサは、位置・動作による変位、金属または導電性ターゲットの組成、バネの伸縮・屈曲による変位を検出できる非接触型センサとして使用されている。
TIのLDCは、16ビットの共振インピーダンスと24ビットのインダクタンス値により、位置の変位検出がサブミクロン単位の分解能で実現できる。また、オイル、塵埃など、機器の製品寿命を縮める非導電性汚染物質の影響を受けない非接触型センサのため、信頼性も高い。
さらに、プリント基板を設置できない、電子回路から離れた場所にセンサの配置が可能になるなど、設計の自由度も高くなっている。しかも、磁石を不要にする低価格のセンサとターゲットを使用してコストダウンも図っている。
そのほか、消費電力が標準的な動作時で8・5mW未満、スタンバイ・モード時で1・25mW未満と低消費で使用可能。
なお国内販売は、日本テキサス・インスツルメンツ(東京都新宿区、田口倫彰社長)が「LDC1000」の評価モジュールを参考価格29ドルで、
4×5ミリの16ピンSONパッケージを1000個受注時の参考価格2・95ドルで販売している。
同社ではLDCを、車載、白物家電、民生用エレクトロニクス、モバイル機器、コンピューティング、産業機器、医療用機器などの幅広い市場に販売を行っていく計画である。