NECエンジニアリング(東京都品川区東品川4―10―27、TEL03―6713―1111、上河深社長)は、業界で初めて静電気電流の可視化に成功、ESD可視化システムを発売。販売価格は980万円から。計測・分析の受託業務も行う。
電子機器は静電気対策が大きな課題となっている。製造過程で、電子機器のスイッチやコネクターなどに人が触れる際、帯電した静電気が放電し、それによって発生した電流が故障の原因となるケースが多い。そのため、現在、静電気試験器で電子機器の基板に放電しオシロスコープなどを用いて状態を確認しながら、技術者の経験や勘を頼りに静電気の影響を受ける可能性のある個所にアースを取り付けるなどしている。
新製品は、静電気電流が機器内の基板上をどのように流れるかを自動的に計測・可視化でき、的確に対策を講じられる。
具体的には、人工的な静電気により発生した電流を電圧の強弱によって色分けし制御用PC上にアニメーション表示して、静電気放電に起因した機器の誤動作や故障を起こしやすい個所を特定する。計測可能基板サイズはW500×D500×H210ミリ。計測時間は1845ポイントの場合で約50分。
システムは、スキャナーユニット、制御PC用ソフトウェアで構成され、静電気試験器、オシロスコープ、制御PCと組み合わせて使用する。