計測自動制御学会(SICE、会長=新誠一電気通信大学教授)が設けている2013年度学会賞で、横河電機とアズビルが受賞した。
横河電機は、「技術賞」「新製品開発賞」「国際標準化賞・奨励賞」を受賞した。受賞したのは、「技術賞」で『制御システムのセキュリティ対策
セキュリティライフサイクルの実現』と『「ミラープラント」の開発と実プラントへの適用』、「新製品開発賞」で『光ファイバ温度センサ「DTSX200」』、「国際標準化賞・奨励賞」で『宮田宏氏』。
このうち、『制御システムのセキュリティ対策
セキュリティライフサイクルの実現』では、工業用制御システムにおけるサイバー攻撃の脅威と制御システムの脆弱性の洗い出し、評価と分析、対策の導入、定期的な保守点検、新しい脅威への対処といった一連の作業を繰り返し、同社のセキュリティ対策が、包括的で実際的なアプローチを示し、産業界の緊急の課題を解決する糸口になると評価された。
『光ファイバ温度センサ「DTSX200」』は、シェールガスなど非在来地層内の温度変化を監視し、得られたデータを生産制御システムに活用することで効率的な採掘を可能にしたことが認められた。
宮田宏氏は、プラントの無線通信の技術仕様を策定する国際計測制御学会(ISA)のISA100委員会に参画して技術文書の発行に貢献。さらに、次世代のインターネットプロトコルIPv6の国際的な普及・推進団体IPv6フォーラムのフェローとして、国際規格の策定や普及活動に積極的に参画するなどの業績が評価された。
アズビルは燃焼安全制御機器『バーナコントローラRXシリーズ』で、「新製品開発賞」を受賞した。
バーナコントローラRXシリーズは、工業炉のバーナを安全に運転するための次世代形の燃焼安全制御機器で、改正JIS、および国際安全基準に合致した安全計装をプログラミングレスで実現でき、機能選択やモジュール構造により様々な状況に対応できる自由度を備えている。
SICEの審査では、多くの種類の炉/バーナ・燃焼方式にプログラミングレスで安全計装するために、専用のパソコンローダであらかじめ作り込まれている安全機能を選択するだけで、特別なソフトウェアの習得、作成をすることなく安全機能を提供できる、工業炉の安全計装に特化したモジュール構造やアーキテクチャにより、シングルバーナからマルチバーナまで設備仕様に合わせた燃焼安全を実現できる、などが評価された。