英和(阿部健治社長)は、ドイツのベンチャー企業RevXperts(レブクスペルツ)社とバーチャルリアリティロボットティーチングシステム「Track―In」の日本での独占販売権を締結した。溶接個所をプローブでなぞるだけでロボットに動作経路を記憶させることができ、ティーチング作業時間を最大90%削減できる。国際ロボット展で公開する。初年度数十セットの販売を見込んでいる。
レブクスペルツ社は、2006年設立のベンチャー企業で3次元測定の画像処理で優れた技術を保有している。ティーチングシステムは欧州の自動車、自動車部品メーカー向けに納入実績を持っているが、日本市場の開拓へ英和と販売独占権を締結した。
バーチャルリアリティロボットティーチングシステム「Track―In」は、赤外線トラッキングカメラ(3D)、ロボットプログラミングツール(プローブ)、シミュレーションソフトウェアで構成。プローブにはLEDが付いており、プローブの動作にLEDが追従し、カメラ3台で3次元としてとらえ、ソフトウェアで再現する。
溶接ロボットのトーチに見立てたティーチング用プローブを溶接個所に当てなぞることで、ロボットの動作経路を正確にしかも簡単にティーチングできる。
プローブでなぞるだけで、複雑な個所も覚え込ませられるため、ティーチングの作業時間を最大90%短縮できる。
特に、6軸以上のロボットのティーチングに効果が高い。
現在、溶接ロボットは、自動車、自動車部品・電装品、業務・産業機器、建設機械、鉄道車両、船舶などで採用され稼働しているが、ティーチングに多くの時間を費やしている。技術者が肉眼で加工する部分を見て覚え込ませるためで、6軸以上のロボットに複雑な個所を記憶させるには数日をかけるケースもあるなど厄介であった。
今でも製造現場では、溶接ロボットのティーチングの時間短縮が大きな課題である。