横河電機は、レンジフリーコントローラ「FA―M3V」用モジュールとして、業界最高速の5μsの変換周期を実現した高速データ収集モジュール「F3HA06―1R」(入力点数6点)、「F3HA12―1R」(入力点数12点)、およびプログラム開発ツール「WideField(ワイドフィールド)3」の機能強化版を、16日から販売開始した。価格は、高速データ収集モジュールが14万円(6点)と18万5000円、プログラム開発ツールが15万円。販売目標は2013年度4万システム(1システムの最小構成モジュールは、電源・CPU・ベース・入力・出力の各モジュール)、14年度5万システム。
高速データ収集モジュールは、製造装置や検査装置のセンサからのアナログ信号をデジタル信号に高速に変換し、変換したデータを蓄積、シーケンスCPUモジュールに伝送するもの。新モジュールは、同社従来製品比10倍の業界最高速5μs周期でアナログ信号をデジタル信号に変換でき、業界トップクラスの高速演算処理が可能な同社のシーケンスCPUモジュールと組み合わせることで装置のタクトタイムを短縮化、ユーザーの生産性向上につながる。
また、シーケンスCPUモジュールとの組み合わせで、応答速度も同10倍の50μsと高速で、高分解能(16ビット)なため高精度な信号に変換できる。これら機能の向上で、増えるデータも蓄積できるように、従来製品比85倍の2MBのロングメモリを搭載した。
さらに、カウンタや角度・位置センサなどのデジタル信号に同期しながら、最大12点同時でも5μs周期で信号の変換をすることができる。このため測定対象が高速に動いていても、多点同時で収集したデータに基づいて制御を行え、より高精度な制御が実現できる。
一方、プログラム開発ツールは、FA―M3Vのプログラム作成、デバッグ、アプリケーション管理用ソフトウェアで、新製品ではライブロジックアナライザ機能を搭載した。これまでは、プログラムのデバッグやトラブル解析には、サンプリングトレース機能でプログラム実行後のデータを確認したり、デバッグ用プログラムを追加する必要があったが、この機能の搭載で、シーケンスCPUモジュールでプログラムを実行しながらほぼリアルタイムでプログラム実行状態を確認できる。しかも、一度に最大96点表示でき、多数のデータを1画面で比較確認することが可能なため、デバッグやトラブル解析の効率が向上する。
同製品は11月6日から開催の「システムコントロールフェア2013/計測展2013TOKYO」に展示する。