農家の高齢化、燃料費や資材の高騰に伴い、園芸施設の省エネ化、自動化が進んでいる。ヒートポンプコントローラ、灌水制御装置、温度管理装置、窓自動開閉装置や遠隔監視システムなどの導入が進んでおり、配電制御システムや制御機器メーカーも大規模植物工場のみならず園芸用ハウスも市場として注視し始めた。
園芸用ハウスは、原発事故後、新設が増える傾向にあるものの、他方で農家の高齢化や後継者難に加え燃料費の高騰、電気代の値上げによる経営悪化で廃業するところも出ている。その打開策として、近年注目されているのが、節電対策や自動化、遠隔監視装置である。これらの機器・装置は配電制御システム、制御機器と関連性が大きいため、各社とも参入や検討を行っている。
富士電機は、環境データを収集・活用できるFiTsaΣ(フィットエスエーシグマ)を農業分野向けに販売を強めている。温度、湿度、CO2濃度などリモート監視向けに採用を訴求する方針である。
パナソニックは、頑丈なタブレットパソコンを農業市場にも販売している。
四国電力グループの四国総合研究所、ネットワークコーポレーション、小林クリエイト、システムスリーテンなども栽培モニタリング関連の製品を発売している。温湿度、雨、日射、侵入者などを携帯電話やパソコンで監視できる。農家では自宅に居ながら、栽培管理でき労力を減らせるため、遠隔監視装置を設置するところが増えている。
省力化、省エネ化では、灌水制御装置の需要が増えている。スナオ電気、イシグロ農材、日本オペレーター、トヨタルーフガーデンなどは灌水制御装置に積極的である。通信システム機能や温度制御機能を装備した新製品も出ている。
スナオ電気は、自動灌水タイマーのほかヒートポンプ、ボイラー、コントローラー、熱交換器、自動天窓、温度調節器、土壌改良関連なども発売している。
制御盤や監視制御システムは、配電制御システムや制御機器各社の得意とする技術であり、植物工場だけでなく、ハウスの自動化市場に対する関心も今後さらに高まりそうである。