アズビルは、プラントや工場の製造設備で重要な役割を果たす調節弁の保全を最適化する、専門技術者による診断サービスを10月29日から開始した=写真参照。これによって、製造現場の安全に不可欠な保全業務が効率化し、保全コストの削減にもつながる。
調節弁診断サービス費用は、60万円(調節弁10台まで。解析レポート、報告会実施を含む)からで、従来からの調節弁の点検整備や更新作業と合わせて調節弁メンテナンスに関連する事業全体で2016年度に50億円を目指す。
調節弁診断サービスは、調節弁に接続して制御システムからの開閉指示の信号を調節弁に伝える機器であるポジショナ「AVP3000Alphaplus(アルファプラス)AVP300シリーズ」と、診断ソフトウェアの調節弁メンテナンスサポートシステム「Valstaff(バルスタッフ)」を併用。同社の専門技術者がバルスタッフのデータを診断・解析し、調節弁の状態に応じて計画的かつ適切な保全を提案するとともに、診断後はレポートを作成し、報告会で適切な保全計画を示す。
調節弁はメンテナンスを適切に行わないと突発的な故障が発生したり、最悪の場合はプラントを稼働停止するなど大きな影響を及ぼすこともある。従来、調節弁は本体を開放し、分解する以外に状態を正確に把握することができなかったため、状態基準保全が困難であった。
バルスタッフは、ポジショナを介して稼働中の調節弁のデータを収集することで状態を見える化し、診断するツールで、状態基準保全を可能にする。バルスタッフの活用により、時間基準保全での状態にかかわらずメンテナンスを実施することで結果的に正常に動作していた調節弁に対しても発生する保全費の抑制が期待できる。
なお、6日から開催の「計測展2013TOKYO」の同社ブースで紹介する。