日本スペリア社(大阪府吹田市江坂町1―16―1、TEL06―6380―1121、西村哲郎社長)のグループ会社、応用ナノ粒子研究所(大阪市住吉区、TEL06―6608―6667、小松晃雄社長)が製造する「アルコナノ銀ペースト」が、このほどはんだ代替材料として、パワーモジュールの量産品に採用される見通しになった。アルコナノ銀ペーストを使用したパワーモジュールの量産は業界初となる。
アルコナノ銀ペーストは、銀ナノ粒子を溶剤に安定分散させた接合材料。鉛はんだなど従来の金属接合材よりも、低温領域での接合が可能である。さらに強度と耐熱性に優れており、従来のはんだでは困難だった炭化ケイ素(SiC)などを使用した、パワーモジュールでの接合を可能にする画期的な材料として注目されている。
同ペーストは、大阪市立大学系のベンチャー企業である応用ナノ粒子研究所が開発してきた。
すでにサンプル出荷を行っているが、今回、ブリッジダイオードなどのパワー半導体や、電源・電装製品の新電元工業が、15年以降に生産する産業用パワーモジュール製品に採用する見込みとなったもの。同ペーストを使用したパワーモジュールが量産されるのも業界初。
新電元工業では現在、パワーモジュールの製造にはんだを用いているが、同ペーストに変更して性能評価したところ、従来品に比べ耐熱性などの品質面が向上した。さらにモジュールの熱サイクルの信頼性も向上することが判明した。