日本配電制御システム工業会(JSIA、丹羽一郎会長)制御情報・新エネルギー部会(田原博副会長兼部会長)はこのほど、浜松町東京會館で技術セミナーを開催した。話題の太陽光発電システムのメンテナンス、雷対策、蓄電池をテーマに取り上げただけに関心が高く、会場は満席で熱心な質疑応答が行われた。
メンテナンスについて、日本大学理工学部教授の西川省吾講師は、太陽電池はメンテナンスフリーといわれてきたが、実際は機械的、電気的故障が数多く発生していると指摘。メガソーラーの故障の実態調査はこれからであるといい、そのうえで、20年間の長期にわたる発電事業用システムでは日射強度や温度などの環境に左右されず、数多くのモジュールの中から故障を容易かつ精度よく検出できる技術が必要と強調した。
蓄電池に関しては、電池工業会部長の長田章講師は、蓄電池の特徴と課題について、電池工業会では政府へ(1)系統依存を軽減し、再生可能エネルギーの最大活用(2)災害に強い低炭素社会のため分散電源の普及を提言したことに触れ、補助金事業、グリーン投資減税、規制緩和など市場拡大への取り組みを紹介した。
太陽光発電システムにおける雷保護については、NTTファシリティーズ研究本部主任研究員の森井信行講師が雷被害の現状と雷保護の規格制定要項を紹介。さらに、雷保護の考え方、対策機器の選定、雷保護の今後の課題まで突っ込んだ内容を語った。
JSIAでは産業用ソーラーメンテナンス研究委員会、マイクログリッド研究委員会を立ち上げるなど、太陽光発電システムを業界の新規市場として注視し情報などを発信している。