電気計測器の売り上げは2014年度以降、微増に転じるものの、12、13年度は減少が続き厳しい状況となっている。金額は、12年度の7098億円が5年後の17年度には6740億円と約350億円(5%)減少する。ただ海外拠点売り上げは12年度から約200億円増加し、17年度には1929億円が見込まれている。
日本電気計測器工業会(JEMIMA、海堀周造会長)が6日まとめた「電気計測器の中期見通し(13―17年度)」によると、12年度の電気計測器全体の売り上げは、7098億円(前年同期比6・2%減)となった。当初は震災復興需要や補正予算、米国の量的緩和策などの影響で8787億円(同16・1%増)と過去最高を見込んでいたが、電力関係を中心とした官公需投資が急激に落ち込み、PC(パソコン)市場の停滞もあり、マイナスとなった。
13年度も、スマートフォンやタブレット端末の進化や需要増に伴う半導体・電子部品需要や環境対策などにより、電気測定器(半導体・IC測定器)10・7%増、指示計器1・8%増、環境計測器1・4%増と伸びるものの、放射線計測器25・4%減、PA計測制御機器10・7%減などが2桁減少するなど、震災復興需要からの反動や携帯端末開発製造や通信インフラへの投資抑制などの影響を受けて、6554億円(同6・2%減)と2年連続で減少となる見込み。
14年度も0・6%減と影響が若干残るものの、震災復興需要の反動や欧州債務危機に伴う投資抑制の影響が薄れ、電気計測器全体では、緩やかな微増に転じる。
この結果、14年度は6512億円、15年度6558億円(同0・7%増)、16年度6632億円(同1・1%増)、17年度6740億円(同1・6%増)となる見通しとなっている。
ただ、過去最高であった06年度(8644億円)に比べ2000億円ほど落ち込む。
一方、海外拠点での生産・販売を含んだ国内販売と輸出、海外拠点売り上げを合わせた電気計測器全体売り上げは、13年度が8266億円(このうち海外拠点売り上げ1756億円)と12度比約6%減少するものの、その後は微増で推移し、14年年度8266億円(同1806億円)、15年度8364億円(同1848億円)、16年度8480億円(同1885億円)、17年度8625億円(同1929億円)となる見通し。