ロームは、産業機械用電源やテレビなど、100Wクラスのミドルパワーを必要とする電子機器向けに、軽負荷時の変換効率をアップし、機器の待機電力を大幅に削減する、高効率AC/DCコンバータIC「BM1C001F」=写真=を開発し量産を開始した。サンプル価格は100円。
新製品は、PFC(力率改善)コントローラと、QR(疑似共振)コントローラをワンパッケージ化し、PFCコントローラにON/OFF設定機能とPFC出力制御機能を搭載した。軽負荷時の変換効率をアップし、待機電力を削減する。
また、二次側の負荷電力をモニターし、その電力に対してPFCコントローラをON/OFFすることで、特にPFCが必要ない負荷範囲(75W以下)において、変換効率改善が著しい。
さらに、従来のPFC
ICでは出力電圧が一定だったため、AC100V入力の場合、スイッチング損失が大きくなるという課題があったが、新製品は昇圧コンバータ方式PFCコントローラに、同社独自のPFC出力制御方式を搭載。これにより、AC100V系で効率を大幅に改善。
100Wクラスの電源で使用した場合、待機電力はAC100V時に85mW以下、AC230V時に190mW以下となり、国際規格であるEnergy
Star6・0の要求値210mW以下をクリアする。AC100V系でPFC出力を固定する場合と比べ、1~2%の変換効率改善が見込まれる。
今回、2つのコントローラをワンパッケージ化することで、外付けでPFC回路を使用した場合に比べ、約20%の部品点数を削減し、電源の小型化にも貢献する。