近畿電子部品卸商組合(KEP、岡本弘理事長)は、組合創立50周年記念事業として「タイ国海外視察研修会」を11月27~30日まで行った。
同研修会は、タイ商務省、タイ国政府貿易センター大阪の協力を得て、同組合員、賛助会員のほか、中部電子部品流通業協議会、東京都電機卸業協同組合、現地駐在担当者など23人が参加した。
タイは、1980年代後半から輸出志向型工業化政策を行い、リーマンショック、大洪水などの難局に直面しながら、急速な経済発展を遂げている。特に自動車関連、コンピュータ関連、電子集積回路などの製造拠点として、ASEANの中心的地位を占めている。
研修先は、バンコク郊外チョンブリ県ラムチャバン工業団地のミツビシモータース・タイランドの第3工場と、同県アマタナコーン工業団地のダイキンインダストリーズ・タイランド。
ミツビシモータース・タイランド第3工場は、12年に完成し、タイ政府が推進している温室効果ガス排出量削減のエコカー政策に適合するため、「グローバルスモール」をコンセプトに「小型化・低価格・低燃費」のモデル車を生産しており、今後も新興国向けの伸長が見込まれている。
ダイキンインダストリーズのあるアマタナコーン工業団地は、入居企業400数社に及ぶ東部臨海工業地区の中心地で、日系企業が集積しており情報の収集に利便性がある。ダイキンインダストリーズ・タイランドは、第1から第3工場、開発センターがあり、家庭用エアコンや業務用パッケージエアコンを生産し、グローバル生産拠点として機能している。
生産性向上のために独自の生産システムを展開。特に、混合同期化生産化方式は、多数の異なる機種や仕様の製品を生産するとともに、在庫の適正化など生産計画の変動にもフレキシブルに対応し、タイ国総理大臣賞(品質・環境・生産性向上・安全衛生の4賞)を受賞している。
初日にはタイ商務省国際貿易振興局主催による歓迎会が行われ、岡本理事長が「当組合も50周年を迎えることができた。今後も時代の変化に応じた組合事業を目指し、情報提供・交換を行い、皆様のお役に立っていきたい。今回の日系企業の工場訪問を通じ、ビジネスチャンスの拡大につなげていただければ幸いだ」とあいさつした。