経営体質の強化図る配電制御システム各社 生産性向上し収益改善生産額1人当たり年間2500万円

配電制御システム各社は、前年を上回る受注が続く中で、生産性も向上しつつある。依然として価格競争は激しさを増しているが、設計、組立・検査など各工程の作業の見直し、効率化を進めてきた効果が収益に表れつつある。

配電制御システム業界はこのところ受注が好調である。また、先行きも拡大基調は変わらないと予想されている。東日本大震災発生以降、復旧・復興需要、耐震化対策による更新需要、産業用太陽光発電の導入急増、大都市圏を中心とする建築ラッシュにより市場が拡大。これら社会インフラ市場に加え、民間設備系市場でも半導体製造装置、工作機械などが生産を回復しつつあるため、制御システム関連の受注も上向きに転じている。リーマンショックによる売り上げ減少期から抜け出したもよう。

東京五輪の決定など先行き市場環境も良く、2018年ごろまで拡大が続くと見込まれている。

こうした市場環境が良好の中でも、顧客からのコストダウン要求に対応するため、生産性向上の取り組みを強めている。

配電制御システム各社は、設計・調達・組立・検査の各工程を見直し、コスト削減へ盤の省スペース化、作業の効率化・合理化を追求している。

こうした経営改善により、1人当たりの生産性は確実に向上し、現在では、1人当たりの生産額が年間2500万円前後に達しているものと推定される。5年前と比較して約30%の改善である。

収益改善には、リニューアル事業の強化も貢献している。耐震対策、グレードアップ、節電対策に伴うリニューアルは、新規案件よりも収益性が高く、各社はリニューアルの比率を高める方向を目指している。ある会社では3年前から売り上げに対する比率が4割を超え、45%前後で推移しているが、さらに増やすという。

配電制御システム各社は、売り上げ増加と生産性向上で経営体質の強化を図りつつある。

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