インバータ市場は、あらゆる面での省エネ化を追い風に広がりを見せている。
ただ、日本電機工業会(JEMA)の生産実績は2012年度で前年度比78%と大きく減少しており、13年度も98%の537億円と厳しい見通しを立てている。その背景には、中国の景気減速と欧州経済の停滞がある。この状況もここにきて大きく変化を見せており、着実に回復基調に入ってきた。米国で再び自動車などの製造業が国内回帰しており、欧州も地域差はあるものの、停滞期からは脱してきている。中国もGDP伸び率は鈍化しているものの、依然大きな市場を形成している。
このようにインバータ市場を取り巻く環境は大きく好転しており、13年度は600億円を突破して、前年度を上回るのは確実と見られる。価格が低下していることや、中国など海外生産が増えていることから、実際の市場は数字以上に拡大しているものと見られる。
国内では原発事故発生以降、さらに省エネ意識が高まっている。省エネ化を促進するトップランナー製品も、トランス、モーターなどの産業機器にも広がってきていることもあり、省エネに貢献する機器の市場拡大につながっている。
インバータ技術は、環境対策に資する自然エネルギー発電関連や、ハイブリッドカー/電気自動車などにも応用され普及を後押ししている。
最近のインバータは、性能の向上とともに誰でも扱える操作の簡便性や小型・軽量化、低騒音化、安全性、ネットワーク対応などが進み、組み合わせ使用するモーターも各種開発されてきている。