PLC(プログラマブル・コントローラー)市場は、半導体製造装置関連や工作機械などの顕著な回復基調を受けて、昨年10月以降、急速に出荷が伸びている。この背景には円安が進んだことで輸出環境が好転していることも大きい。加えて自動車関連も好調で、国内はさほど大きな投資は見られないが、海外での工場新設は継続して進められており、PLCの出荷を底支えしている。
日本電機工業会(JEMA)の2013年度上期のPLC国内出荷額は、前年同期比112・6%と2桁の増加となっており、期初の見通しより10ポイント以上も上回っている。通期では同108・9%、869億円の見通しであるが、今後は消費税導入前の前倒し需要なども見込まれ、先行きへの不安要素は少ない。従って、13年度は20%近い大幅な伸びも見込め、再び1000億円台乗せも見えてきた。
海外も、欧米市場に回復基調が見られ、アジアも新興国を中心に自動車の生産投資が継続することから、PLC需要を押し上げるものと見られる。14年度には、1000億円から1100億円まで伸長が期待できそうだ。
また、PLCは工場での生産用だけでなく、ビル制御やアミューズメントなど工場の外にも市場を広げている。エネルギーの最適使用に向けたあらゆる面での取り組みはPLCを駆使した新しいアプリケーションを生み出している。さらに、生産効率向上を狙いにしたリニューアル需要が今後活発化することが見込まれており、市場拡大への死角は少ない。ソフトPLCも、一定の市場を形成しつつある。