操作用スイッチは、インターフェイスを支える制御機器として重要な役割を担っている。主要市場である半導体製造装置や工作機械市場が回復したことに比例して市場が拡大しており、さらにはメガソーラーやEV(充電)スタンドなどの好調を受けて、受配電や周辺機器向けの出荷が伸びている。
日本電気制御機器工業会(NECA)による操作用スイッチの出荷統計では、2012年度360億円(前期比3・1%増加)、13年度上期は同0・6%減と横ばいだったが、10月は前月比で3・9%の増加、前年同月比で11・8%増と2桁の回復を示している。引き続き14年度もこれが維持されるか注目される。
今後は、東京オリンピック開催が決定したことで建設・土木分野での設備投資やインフラ整備が動き出しており、これに伴う需要増が期待される。電力関連や発電関連では、高機能スイッチ採用の動きが活発で、今後は原子力発電用の新規需要や、火力発電所の更新需要に期待がかかる。
鉄道車両向けでは、運転台選択スイッチや車掌スイッチ、方向切換スイッチなど高接触信頼性の操作用スイッチが多数あり、国内では大手私鉄車両やモノレールなどに採用が拡大している。
その他、情報機器やモバイル、セキュリティ分野、アミューズメント分野、福祉機器分野など、用途に応じ各種の操作用スイッチが開発され、新しい市場を形成している。
エネルギー・マネジメント・システムや、電源・蓄電関連、加えてDC(直流)機器の普及に伴いDC対応の操作用スイッチの用途が広がることが期待されている。