2013年12月期の売り上げは、前年同期より少し減少した。前期にあったプロジェクト案件が今期はなかったことで落ちてしまったが、それを除くと、さほど悪くはなかった。
14年12月期は前期比5%増ぐらいの売り上げを計画している。
今年は日本法人を設立して20年という一つの区切りを迎えた。20年間社長を務めてきたが、この間にスイッチを取り巻く環境も大きく変わっている。設立当時はスイッチ単体で競争力を有していたが、10年ぐらい前からは、日本メーカーの製品が強い競争力を発揮するようになってきたため、スイッチ単体販売からスイッチにパネル、ケーブルなどをセットしたアッセンブリ販売を強化し、ユーザーへのソリューション対応シフトを強めている。もう一つは、鉄道車両関係の市場開拓ができたことだ。鉄道車両向けも販売に苦労したが、今はJRのすべての会社に採用になって、売り上げの大きな柱になっている。日本国内のスイッチ市場はこの20年間、ほぼ横ばいで推移している中で、当社の売り上げは1・7倍に拡大している。日本の鉄道車両は今後、海外市場への輸出増加が見込まれているが、これに伴いグローバルサポート体制の整った当社にとって、ますます販売を伸ばすチャンスになってくる。
今年は、半導体製造装置や工作機械などの産業機械関係に加え、当社のスイッチの特徴である堅牢な構造などをポイントに、ヘビーデューティな使用分野の開拓を考えており、特殊車両や建設機械向けなども注目用途の一つである。
当社は、照光式押しボタンスイッチのパイオニアメーカーとして、デザイン、品質、機能などで優位な立場にあるが、これを生かしながらユーザーに最適なソリューションを提案できる取り組みを引き続き展開していく。同時に機器の高級感演出につながるような新製品を意欲的に開発・発売していきたい。