今年は、7月で創業50周年を迎えるが、中期計画「大河」の最終年度でもある。大河の最大テーマとして「新分野への注力」を掲げてきたが、ここ数年重点的に新製品開発に取り組んできた結果、一定の成果が出始めており、50周年を迎える今年はビジネスの形にしていきたい。
新分野の開拓では、「省エネ・蓄エネ・創エネ」をテーマに、再生可能エネルギー分野への製品展開に注力してきたが、今年もこの方針を継続させていく。新製品関連では、新しい機能を持つ高周波リアクトルなどの開発に注力しており、自信を持って提供できる製品が開発できてきた。
太陽光発電には、高周波リアクトルとトランスが個別に取り付けられていたが、当社では、業界で初めて高周波リアクトルとトランスを一体化した製品の開発に成功した。高周波リアクトルは、太陽光発電の変圧に必要で、リアクトルとトランスを一体化することで太陽光発電システムの小型化や高効率化に寄与できる。
当社のリアクトルは小型で損失が少なく、ロスが小さいという特徴を持つ。高周波リアクトル製品では、6kVAの小型パワーエレクトロニクス製品も開発した。民生分野と重電分野の隙間を狙う製品で、パワー半導体にも応用できる。工場の電源関係や移動車の制御のほか、燃料電池やスマートハウスの蓄電システムなどにも応用でき、産業・民生の両分野で活躍できる製品として期待をかけている。
一方、非接触給電システムについては、基本システムの開発が終了し、商品化への体制が整った。現在、具体的な商品化へ向けパートナー企業などを募集している。
中長期計画の10年間は、リアクトルや非接触給電システムなどの開発を通じ技術のベースが広がった。こうした技術は次の10年に必要となるもので、今後も電源に関わる専門メーカーとしての責務を果たしていきたい。