昨年は円安、株高で推移したが、製造業ではアベノミクスへの期待ムードが先行し、設備投資を増やすまでには至らない中で、当社は工業用タイマーの拡販、農業関係の省エネ機器の種まきに努めた。
今年は、昨年よりも景気が良くなる。政府の成長戦略の実効が出始め、さらに震災復興や耐震対策などの公共投資が増えるほか、リニア中央新幹線、新幹線網の整備などが我々に好影響する。消費税8%への引き上げは、一時的に住宅などの需要が低下するが、心配はしていない。デフレ脱却で物価が徐々に値上がりし、電力料金も値上げに向かいそうなので、省エネ・省力機器の普及にはプラスとなる。また、金融緩和による円安は、1ドル110円を超えると、海外に進出した製造業の中には、国内回帰を考えるところも出てきて、国内産業が活性化する。こうしたことから、2014年11月期は売り上げを前期比15%増加させたい。
工業用タイマーは、省エネ・省力ニーズが世の中で強まっており、急上昇はしないが、右肩上がりの安定成長が見込める。とくに「省エネタイマー」の伸長が期待できる。
また、輸出も景気変動に左右されずコンスタントに出ているが、今期も中近東地域向けなどに期待している。高温地域では樹脂製だと変形するため、当社は鉄製筐体にしているのが評価され20年間近く売れている。農業や施設園芸関係も灌水制御装置を主力に、天窓コントローラ、省エネボイラーなどの販売を強化する。農業は小規模から大規模化へ方向転換しつつあり、自動化が今後本格化する。毎年、農業資材関連の展示会に出展しているが、非常に反応が大きい。九州、四国、青森など顧客が拡大しており、販売の全国展開に注力する。代理店も増えつつある。補助金対象であることをアピールしながら、代理店とともに拡販する。工業用タイマーの知名度を農業分野へ広げていきたい。