昨年は新政権が誕生して、景気浮揚に期待感を持った。引き続き、具体的なプランへの期待が大きい。東京オリンピックの開催決定も好況を後押しし、2020年まではこの状況が続くのでは。久し振りの好感のなかで迎えた年となった。
今年度は実体経済も良くなると見ている。経済再生、デフレからの脱却を企てる安倍首相の賃金引き上げの呼びかけに呼応して、当社もすでに昨年の昇給、賞与で意識的に先行してアップした。基礎体力のある会社だからこそ、できたことである。
過去数年の種蒔きしたことに手応えを感じ始めていることもあり、今期(3月決算)は、この調子で推移すると見ている。業績はリーマンショック前には戻っていないものの、下期はさらに加速することも期待できる。消費増税は、直接的な影響はないが、1~3月に増税前の駆け込み需要が出てくる可能性はあり、今期業績に多少の貢献はあり得るが、その後の反動もあるので、あまり重きは置いていない。ただ、原材料の値上げは懸念している。これまで同様に、販売価格には転嫁せず、生産効率の向上、省力化など社内の努力を第一義としたいが、ただ限界もある。
国内需要の好調さだけではなく、ASEAN諸国市場への期待も高まっている。すでに、国内営業がスペックインした製品の海外生産分を貿易部がフォローするケースもあり、手応えを感じている。国内では、スペックイン営業を重視している。昨年は海外と国内営業担当がペアで海外出張するという例もあった。国内外を問わず、ニーズのある所に供給できる体制にある。インドのハーネス加工メーカーからの型番指定での引き合いなど、成果が出始めた。
また、開発面では機器のコンパクト化に対応する製品を生み出すとともに、材料を替えての開発にもチャレンジしている。工場の耐震補強、生産設備の固定など、BCPにも取り組んでいる。