FA市場におけるリチウムイオン二次電池の実用化が、2013年後半から本格的に開始されている。各社が採用までに約2年の歳月を費やし安全性、性能確認を行ってきており、お陰様で当社も今年は売り上げが倍増する予定である。
10年に電気自動車(EV・HEV)で本格的なリチウムイオン蓄電池採用の発表を受け、電池メーカーも増加、いまや中国では1000社を超えている。ところがリチウムイオン蓄電池は鉛蓄電池と違い、セル電池を組電池にして、BMS(バッテリー・マネージメント・システム)との組み合わせの最適化が難しく、安い電池を中国、韓国から輸入して自社製のBMS用に使用しても、安定したパフォーマンスを得ることが難しいことが明らかになった。
FA業界向けに10年以上製品を安定供給する体制作りも、かなりの技術の専門性と経験が求められる。電池ビジネスに求められる要件は(1)高品質(2)低価格(3)安全性の高い製品を製造する―ことが最も重要で、そのため蓄電池とBMSを組み合わせて品質や性能を保証するメーカーが受け入れられる。
当社は、鉄系正極材生産量世界一の台湾CAECジャパンの開設準備会社として、日本市場でのアプリケーション用途開発に力を入れてきている。昨年後半から本格採用になった主なアプリケーションとしては、警察庁/警視庁向け信号機のバックアップ電源、原子力発電所、各自治体向け放射能測定装置のバックアップ電源、無人搬送車(AGV)の鉛電池からの置き換え、道路公団向け行き先表示器のバックアップ電源、再生可能エネルギーソーラーパネル発電用蓄電池などが挙げられる。
電力を蓄えることが可能な電池、特に充放電、急速充電が可能である二次電池の開発と展開は、日本企業が海外での競争力を付けるため、ハイブリッドの技術テーマとして重要である。