昨年の日本経済は、公共投資、太陽光発電や住宅投資に支えられ、また円安により回復基調にあったが、景気回復の実感に乏しい1年であった。そうした中で、当社12月期売り上げは横ばいの見通しだが、利益は社内合理化を進めた結果、前期比で10%増える。製品は、猛暑やマンション建設に伴い給湯器、空調設備向けDIPスイッチが伸びている。
2014年の景気は、昨年よりも良くなるであろう。産業界はまだら模様で推移する。自動車、建設機械などの業種は良いが、電気業界はまだ厳しいと思う。アベノミクスで円安が続いているが、電気業界はすでに海外生産しているので、円安効果が小さいうえ、海外生産品を日本に持って来ると高くなる。
このような状況下で、当社は「大きな変わり目」の1年にする。14年12月期は、売り上げ目標を前期比10%増加に設定し、DIPスイッチ事業に加え、新規に小型水力発電用パワコン、静電容量センサー、遠隔監視制御ソフトでエネルギー、セキュリティ関連に進出する。
エネルギー関連では、ひとつは小型水力発電用パワコンの開発を終え、静岡県で実証実験に入っている。水利権という複雑な問題があるが、期待している。もうひとつは、水耕栽培の水量を遠隔監視制御するGPSを利用した通信ソフトの開発である。通信業者から開発を受託している。また、ポッティングが可能なDIPスイッチは、耐環境性が要求される地熱発電や太陽光発電から引き合いが増えている。
静電容量センサーを発売する計画である。セキュリティ部門への検討をしていただいているが、他の特殊分野へも提案していく。
今年は、スイッチメーカーのエスジーエムとの相互販売も期待できる。
こうした戦略により、製品構成の柱を増やし、長期的な成長路線に乗せる方針である。