昨年は、日銀の金融緩和とアベノミクスの成長戦略で為替レートが円高から一転して急激に円安へシフトした。輸出関連企業には大きな恩恵をもたらすが、逆に、円高が続き海外生産し国内販売している製造業にとっては、為替に振り回された1年でもある。
こうした状況下で、当社の2013年7月期売り上げは、予想を上回ることができた。ソレノイドやソレノイドバルブなど応用製品が伸長したことによる。アミューズメント向け以外のウエイトが高まり、業種のバランスが良くなったこともあるが、この3年間増収が続いている。
14年7月期も増収の見通しである。消費税引き上げ前の駆け込み需要が発生しているのかもしれないが、10月から受注が増えてきている。ソレノイド応用製品やトランスなどコイル系が産業用から業務用、健康機器分野などいろいろな業種に採用され出しており、また、オートロックブレーカーも順調である。アミューズメント関連向けも今年は良くなると見ている。
しかし、利益面では楽観できない。
当社は、信明〓机(大連)有限公司でソレノイドやトランスを製造し、日本国内で販売しているため、為替レートが元高円安で続くようだと、今後利益面に響いてくる。これまでの為替レートの設定に対し、予想を超えるレートになり、コストダウン対策が喫緊の課題である。
現在、中国工場の製造原価の見直しを進めているが、中国では原材料も値上がりしているため、日本から輸出する部品を増やすことも考えている。また、中国工場から現地日系法人向け取引を増やすなど多角的に取り組んでいく。
いずれにしても、国内景気は昨年よりも良くなると思うので、国内顧客を積極的に開拓して取引先を広げ、足腰を強くすることと同時に、付加価値の高い提案営業に徹していきたい。