ロームや京都大学 燃料電池実用化へ向け京都に初の業界団体発足

ローム、京都大学などは、固体水素源(水素化カルシウム)を用いた燃料電池システムの早期実用化と普及促進を目指すため、産官学一体の「京都燃料電池アライアンス」を発足、9日に京都市成長産業創造センターでキックオフミーティングを開催した。

携帯電源である固体水素源燃料電池システムは、水素化カルシウムの固体水素源と、樹脂成型のコンパクト発電セル、さらにオンデマンド出力が可能な小型燃料供給機構で構成され、数Wの小型なものから200Wを超える大出力発電まで可能なシステムで、非常用や災害時などにも対応できる。

2013年度~14年度の2年間、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から助成を受け、地方自治体を中心に実証試験が進められており、すでにスマートフォン充電用燃料電池や、200Wの高出力発電機、地震計用400W燃料電池などが開発されている。さらに、昨年開催の「CEATEC
JAPAN」では、CEATEC
AWARD「コアテクノロジー部門グランプリ」を受賞するなど、実用化に向け各方面から高い期待がかけられている。

一方、産業化を進めていく過程では、新しい固体水素源を使用する燃料電池であることから、製造体制や部材供給体制、燃料供給体制の確立、安全性、信頼性、さらに政策や法制などの国際標準化が求められる。

こうした課題に対処し、同燃料電池システムの早期実用化と普及を促進するため、今回、唯一の業界団体として京都市伏見区の成長産業創造センター内に、京都燃料電池アライアンスを発足させ、積極的な活動を開始した。

主な目的は、(1)製品の規格化(2)技術の国際標準化(3)特許戦略など新技術の確保(4)安全性の確保(5)ユーザー側意見の反映など。

同アライアンスは産官学垂直連携方式により、研究開発、製品化、量産技術、燃料供給、工業デザイン、ユーザーニーズ、実証実験フィールドの提供など、多岐にわたるメンバー構成を目指しており、今年度内に法人化も検討するという。

現在の構成メンバーは、ステアリングコミッティとして、京都大学工学研究科平尾一之教授、東洋製罐常務執行役員営業本部八岡泰樹副本部長、ローム研究開発本部神澤公副本部長、燃料電池ベンチャーのアクアフェアリー相澤幹雄社長、京都高度技術研究所産学連携担当向井雅昭本部長。

このほか開発担当としてロームなど16社、さらに京都府、京都市、島根県、三重県、京都高度技術研究所、秋田県産業技術センターなど。

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