分岐点(2014年1月15日)

ある機械メーカーは、バブル崩壊のときに内製化した制御機器を外販することにした。自社の機械に搭載してきただけに、かゆい所に手が届くほどの優れものである。汎用市場では後発となるので、使用者を前面に押し出した営業展開の方針で、特定市場向けに販売を始めた。

売り方は型番商売にはほど遠い。ソフトとハードをセットにして販売する方法を採り入れた。ソフト開発により、顧客の改善点によるメリットがパソコンの画面で、一目でわかるようにした。難点は顧客のデータを収集し最適な提案をするためには、時間がかかることであるが、実際に提案を受け入れた顧客からは高い評価を得て、外販に自信を強めたという。

オプションで他社の制御部品と組み合わせたシステムも販売する。使用者として顧客の課題はわかっているので、様々な課題を提示し、各項目を組み合わせて提案する。どのレベルで満足するのかは顧客が決める。あくまでも顧客の課題解決に対し、自社で培ってきたハード・ソフトのノウハウを生かした技の展開であり、この手法は、現場を知り尽くした使用者でないとできないそうだ。

しかし、汎用制御機器各社も採り入れられるのではなかろうか。自社製品を補完する他社の周辺機器を販売することは実行しているが、機械・装置メーカーの開発者としての提案は無理との意見もある。が、特定市場に的を絞れば、可能という気がしてならない。そのカギは、特定分野を専門とするエンジニアと連携し、開発者の目線で課題解決の共通策を「見える化」することである。

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