当社が関わる電力・配電制御業界は、再生可能エネルギーの普及、スマートグリッドの進展、新電力の参入、さらにトップランナー方式変圧器の基準更新など、60年ぶりの大きな変革の時期に差し掛かっている。こうしたことは大きなビジネスチャンスでもあり、当社としても多様化する市場のニーズに即した事業展開を行っていく。
再生可能エネルギー関連では、太陽光発電システムの建設需要とともに、関連設備のニーズがまだまだ潜在しており、今後もしっかりと対応していく。特に太陽光発電の普及に伴い、DC(直流)の高圧化が進むものと予想され、キュービクルにおける昇圧システムやパワコン収納箱、接続箱など、需要に応じ標準品化していきたい。
新電力分野は、電気事業法の改正により、既存の発電設備があるところも積極的に電気事業に参入できるようになり活発化している。将来的に配電事業を専門的に行う会社もできるかも知れない。
さらに、スマートグリッドの進展に伴い、1つのコミュニティで電気を効率よく使用するために、発送電分離など電力会社の再編も行われるだろう。電力の自由化も進み、海外メーカーの参入も始まっている。こうした動きに対応するには、地産地消的な電力会社が求められる。配電盤・制御盤においては、電気の系統と連携が重要なポイントになるだろう。
電気自動車(EV)の蓄電システム「V2H」も次の段階に入るだろう。多数のEVなどの蓄電池を管理し、電力網の一部として活用する「V2G」システムも、スマートグリッド構想の1つになっている。
こうした新しい電気に絡むビジネスをどう捉えていくか、これまでとは全く違った方向に進む可能性もあり、当社としてもこうした動向とニーズを的確に見極め、対応する姿勢で臨みたい。