横河電機は、プラントと同時並行で動作するオンラインプラントシミュレータ「ミラープラント」を開発した。
ミラープラントは、プラントの内部状態を可視化するとともに近未来のプラントの状態を予測するシミュレータ。制御システムと同期して動作するシミュレータで商業プラントに応用できる性能を備えたものとしては業界初。このシミュレータを中核に据えた「最適オペレーション推進支援ソリューション」を、石油、石油化学、天然ガス分野などに向けて、4月から提供していく。
価格は5000万円から(入出力点数約1000点の中規模プラン)。2015年度5億円の売り上げを計画している。
「ミラープラント」は、リアルタイムの製造プロセス情報に応じて独自に開発したモデルパラメータ調整機能により、現在のプラントの状態を正確に模擬化。プラントモデルを応用することで、プラントの内部状態や数十分から数時間先のプラントの状態、および現場の環境条件により温度や圧力を測定できない箇所の状態を可視化しながら、同社の統合生産制御システム「CENTUM VP」の操作画面やPC上に表示できる。
また、将来起こる可能性があるトラブルを未然に防ぐためのアラーム機能も装備している。「ミラープラント」の導入で、プラントの安全操業と製品の品質維持が実現する。
同社では今後、ミラープラントを導入する際に必要な、シミュレーションモデル構築のコンサルテーションサービスも展開していく。
なお、「ミラープラント」は、既に11年~13年まで、三井化学の商業プラントで実証試験を行い、蒸留塔運転の安定化・最適化などの有効性を確認している。