生活支援ロボットの国際安全規格「ISO13482」が発効された。この規格は、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2009年度から実施している「生活支援ロボット実用化プロジェクト」で得られた、生活支援ロボットの安全性に関する成果を日本からISO(国際標準化機構)に提案し、国際安全規格として採用されたもの。これにより、生活支援ロボットは国際安全規格に基づいた認証を取得できるようになり、今後の生活支援ロボットの開発や普及に向けた取り組みの進展が期待されている。(関連記事3面)
少子高齢化社会が急速に進む中で、高齢者の介護などの生活支援分野でのロボット技術活用に期待が寄せられている。しかし一方で、生活支援ロボットは人との接触度が高くなるため、本格導入には対人安全の技術や基準・ルールの整備と安全対策を証明する制度の必要性が指摘されている。
「生活支援ロボット実用化プロジェクト」では、生活支援ロボットの安全に関するデータの収集・分析、対人安全基準、安全検証試験方法や安全認証手法などの確立に向け取り組んできた。
日本国内で実際に使用されている「生活支援ロボットを、「移動型」(操縦式、自律式)、「搭乗型」、「装着型」の3つの代表的なタイプに分けて、ロボットメーカー、試験研究機関・認証機関などが連携しながら、本質安全・機能安全の実証試験を進めてきた。
さらに、このプロジェクトでは、国際標準化提案と認証手法の開発も行い、この認証を受けることで第三者が安全性を確認したことによる、生活支援ロボットに対する安全性評価が高まることで、普及を促す効果も狙ってきた。今回、こうした提案で各国と議論を行ってきた結果、日本からの提案が採用される形で、2月3日に発効された。
生活支援ロボットは、人の生活環境で人を支援するロボットで、人に対して安全となる機能を必要に応じて備えることが求められている。
ISO13482では、生活支援ロボットの安全性(充電、ロボットの形状、電磁妨害、耐久性、環境センシング、機能安全など)に関して定めている。