太陽光など再生可能エネルギー、省エネ、環境関連のEU企業38社がこのほど来日、日本市場開拓に向け東京で商談会を開催した。日本の商社やユーザー約500人がEUの最新技術・製品に高い関心を寄せていた。工業分野でも日本市場はグローバル化に向かっており、主催の駐日欧州連合代表部は「EU企業の進出に弾みをつけたい」としている。
この商談会は、駐日欧州連合代表部が日・EU貿易投資促進キャンペーンの一環として開催した。EU企業38社のうち、再生可能エネルギー、省エネルギー関連の製造業やエンジニアリング会社が30社を占め、販売代理店やOEM提供先、販売先を求めて熱心に交渉していた。
EU企業は、年商1863億円(EDPリニューアブル社)から数億円まで大小様々であるが、技術はいずれも独自性と高性能を備えている。
リトアニアのアエディリスUAB社は、FAおよびロボット工学サービス、ユニバーサルモニタリングシステムの開発、高電圧変電所向けエンジニアリングを行っており、日本のエネルギー市場にソリューションを提供したいと語る。英国のクロフトフィルターズ社はオーダーメイドのフィルターを製造。「日本で使用されているディクソンリングは当社で製造可能である。また、省エネ型フィルターを金属3Dプリンターで製造している」と受注に意欲的。
ドイツのエフィメス社は、白金測定レジスタ、KTYセンサー、バイメタル式スイッチなどオーダーメイドの工業用測定・センサーメーカー。問題解決を可能にする会社であり、顧客の開発パートナーとして日本企業に訴求。チェコのイーベップ社は、30以上の特許を持つ負荷開閉器、開閉器試験装置でOEM先を探していた。スペインのパワーエレクトロニクス社は、ソーラーインバーター、可変速ドライバーなどを製造する。ソーラーインバーターは増設ユニットにより拡張できるのが特色として販売代理店を募集していた。
デンマークのスキャンコン社は、発電機用エンコーダなど防爆型エンコーダの専門メーカー。日本でも売れると強調。
ある日本企業は「確かに使いたい製品がある」といい、別の来場者は「納期や在庫、クレーム対応などを聞いた」と、リスクを懸念したが、総じてEU製品の評価は高い。