横河電機は、プラントで使用される有線フィールド機器や分析計などに取り付けることで、ISA100
Wirelessに準拠した機器として使用できる「マルチプロトコルアダプタ」を開発し、第1弾として有線HART通信に対応した機種を5月から、RS485
Modbus通信に対応した機種を7月から発売する。価格は標準型で20万円から。2014年度2000台の販売を計画。
今後、FOUNDATIONTMフィールドバス、PROFIBUSなど、多様な有線フィールド通信規格のフィールド機器や分析計などに対応した機種を順次開発する予定。
フィールド無線システムは、プラントに設置される温度、圧力、レベル、振動の監視や、ガスの検知などを行うフィールド機器や分析計などと、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化する。無線通信は、配線が困難な場所にフィールド機器などを設置できる、通信ケーブルや敷設コストが削減できるなど、多くのメリットがある。
マルチプロトコルアダプタに内蔵した電池で、フィールド機器や分析計などへの給電が可能なため、給電用のケーブルも含めて配線が不要で、電池には、同社の無線フィールド機器と同じ大容量のリチウムイオン電池を使用しており長期間の使用が可能。また、電池残量の推測値を日数換算して上位システムに表示できる。
さらに、防塵・防水に対応した屋外型や、引火性のガスがある場所で使用できる防爆型のマルチプロトコルアダプタも順次発売する予定となっており、プラントの様々な環境で使用することが可能になる。
同社では、無線通信技術をプラントのどこでも適用できる環境を表す「Wireless
Anywhere(ワイヤレス
エニウェア)」をコンセプトに、ISA100
Wirelessを普及させるための施策と適合機器の開発に取り組んでおり、今後も対応する有線フィールド通信規格を順次増やし、プラントにおけるフィールド無線システムの普及と発展を進める。